音壁の世界(4)音壁の世界(4)THE WORLD OF "WALL OF SOUND"(4) 音壁の世界(1)へジャンプ 音壁の世界(2)へジャンプ 音壁の世界(3)へジャンプ 音壁の世界(4)へジャンプ 音壁の世界(コンピ)へジャンプ 音壁の世界(コンピ2)へジャンプ 音壁映像の世界へジャンプ 音壁映像の世界2へジャンプ ウォール・オブ・サウンド特集へジャンプ 【もうすぐランクイン】 江崎まり / クリスマスに間にあわない! '91 作曲小森田実 編曲新川博 「愛しにきてね」 1991年に2枚のアルバムを発表し、ひっそり消えてしまったアイドル歌手の音壁曲。91年のCD「愛しにきてね」収録。SONYのアイドル・ミラクルバイブルシリーズコンピ「アイドルはM」にも収録された。編曲は当ブログでもお馴染みの音壁職人、新川博氏でアイドル音壁大作の「中嶋美智代 / 泣いていいよ」をはじめ、「中嶋美智代 / 日記の鍵貸します」、志村香 / 秋風はあなた、ERI(菅井えり) / 恋はドーナツショップで、オレンジ・シスターズ / サマー・ホリデー等数多くの良曲を既に紹介しています。本曲も基本はクリスマスをテーマにしたアイドルポップですが、しっかりとしたウォール・オブ・サウンド仕様。明るくキャッチーなメロディに、爽やかで派手目のコーラスが特徴的。音壁的にはカスタネットの響きが目立つぐらいですが、良質で気合の入った新川博氏のよるアイドル音壁の一つと言えるでしょう。 「YOU TUBE」で聴けます。 Space 2000 (Joao Kurk) / Don't Answer Me 「The Alan Parsons Songbook」'00 2000年にブラジルの即席グループ「Space 2000」がカバーしたウォール・オブ・サウンド曲。オリジナルはAlan Parsons Projectの世界的ヒット曲で、80年代以降最も有名な音壁曲といえるかも。(シャンシャン感が素晴らしい DON'T ANSWER ME / ALAN PARSONS PROJECT)検索しても正確な詳細が分からないのだけれども、ブラジルのヴォーカリストJoao KurkがAlan Parsons Projectのカバーばかりを集めた企画アルバム「The Alan Parsons Songbook」を出す為に集められたバンドの名前が「Space 2000」ということらしい。(90年代に活躍した「Space 2000」という別のグループもいるので為念)基本はオリジナルに忠実な内容なのだけれども、音壁カバーにおいてはこの「忠実さ」というのは大事な要素で、単にヒット曲のメロディをなぞっただけの短絡的なカバーではないことを意味し不可欠であります。secondhandsongsで調べるとこの曲のカバーは20曲もあるんだけど、しっかりとした音壁カバーが多いので一安心ですね。中でもこの「Space 2000」のカバーはドラムやベースの重低音やカスタネットの軽やかでいてしっかりとした響き等、サウンド的には十分聞き応えのある内容。それぞれの楽器の微妙な違いもアランパーソンズ版に聴きなれてしまった耳には新鮮に聴こえるかも。ヴォーカルにもう少し魅力があれば良かったかなとも思うけど、こうして新たな音壁曲が作られていくことは音壁ファンとしては嬉しいものです。 「YOU TUBE」で聴けます。是非ダウンロードしてステレオで聴いてみてください。 Alan Parsons Project / Don't Answer Me 桑田靖子 / GOOD-BYE MY LOVE 作曲芹澤廣明 編曲馬飼野康二 '84 「バケーション」 1983年デビューで歌唱力が売りだった桑田靖子の3RDアルバム 「バケーション」収録の音壁曲。いまいち売れなかった所謂B級アイドルのアルバム収録曲ということでかなり知名度は低そう。作曲はアイドルポップのオールディーズ路線で何度も取り上げていて当ブログと相性の良い芹澤廣明。曲はタイトルからも推測できる悲し気なバラードでウォール・オブ・サウンド仕様曲。84年というとアイドル音壁としては「北原佐和子 / 悲しきカレッジ・ボーイ」などがあり、盛んに音壁が作られていた古き良き時代という感じですね。本曲はそれらの中でもメロディ、歌唱、音壁とどれもなかなかの高水準なのでお勧めです。音壁としてはピアノやカスタネットの響きがいい感じで、特に後半3分30秒からの短い間奏では、「ピアノが高らかに鳴り響き、裏でカスタネットが激しく連打される」というファンには堪らない迫力のある音壁全開箇所があり、思わずハッとさせられます。逆に言うとここだけ浮いてる感じもあるんですけどね。 吉田裕貴 / Faraway so close 作曲編曲Funczion SOUNDS '05 「ONE☆BOKU Faraway so close! ~お姉ちゃんとボク~」主題歌 お姉ちゃんにまったり癒されADV「ONE☆BOKU Faraway so close! ~お姉ちゃんとボク~」の主題歌でウォール・オブ・サウンド仕様曲。初回ロット特典「お姉ちゃんからのお手紙CD」収録。音壁仕様というかズバリ「大滝詠一 / 君は天然色」のトラックを真似たトリビュート曲という感じでしょうか。君は天然色アレンジとしては、本ブログで既出のKEN GOLD版のJODELLES / MY BOYが有名ですが、出来的にはあまり差がないかと。曲はエロゲ主題歌ということで萌えのある女性ヴォーカルの明るめの曲。前者同様やはりメロディに奥深さは無いけれどネタものとして捉えれば十分なクオリティじゃないですかねえ。果たしてこの曲が山下達郎氏のサンデーソングブックでオンエアされる日は来るのだろうか? 「YOU TUBE」でショートバージョンが聴けます。(オリジナルは4分14秒ほどあります。) 中嶋美智代 / 日記の鍵貸します '92 作曲/遠藤京子,羽田一郎 編曲/新川博 空前のアイドル音壁大作「泣いていいよ」と隠れた萌えポップ「天文台と海岸」を編曲した新川博氏による中嶋美智代の傑作3部曲とも言える音壁曲。作曲には「天文台と海岸」と同様に羽田一郎がかかわってます。曲は「泣いていいよ」同様バラード系でやはり4分36秒と長い大作志向。憂いを帯びたメロディは暗めだけどしっぽりとしていてなかなかの出来栄え。「日記の鍵貸します、恋人に」~「なりたい人は、この指止まれ」などサビのメロディが一度切れても歌詞が繋がっているというところにも妙味があります。哀し気なフルート風の音色もなかなか効果的ですね。そしてやはり最大の聴き所は新川博氏によるウォール・オブ・サウンドなアレンジ。カスタネットの繊細な響きやエコー感のあるドラム等、派手さはないけれど品よく効果的に配されている感じ。全体としてなかなか感動的なバラード系アイドル音壁大作といった仕上がりですね。 「YOU TUBE」で聴けます。 工藤夕貴 / DIARYは秘密でいっぱい '86 作曲芹澤廣明 編曲大谷和夫 「STRAWBERRY TOWN」収録 80年代アイドル工藤夕貴のアルバム「STRAWBERRY TOWN」収録曲。彼女の曲は既に同アルバム収録の「カレン」と「ハートブレイクの微笑」という共にウォール・オブ・サウンド仕様の曲を取り上げていますが、この曲も同様に音壁仕様。こっそりと音壁アイドルしてた訳ですねえ。「野生時代 ハミング・バード・イヤーズ・コンプリート・シングルス」というCDにも収録されているようです。 曲はある程度テンポのあるバラードでサビの盛り上がり含め全体的に良質なメロディ。如何にもこの頃の松田聖子が歌ってそうな曲です。サウンドは時折入るエコーの効いたドラムスの重低音が特徴的。そこに軽やかなカスタネット、煌めき感のあるグロッケン、優雅な雰囲気のストリングスなどが華を添える。編曲の大谷和夫氏は当ブログでも取り上げているアイドルポップの金字塔「石川秀美 / 涙のペーパームーン」、ハリーラブ名曲「本田美奈子 / ONEWAY GENERATION」などを手がけているだけあって流石のセンスですね。作曲の芹澤廣明氏も当ブログ既出の「森口博子 / エンドレスドリーム」、「堀江美都子 / DON'T YOU・・・?」などを手掛けています。 BAY CITY ROLLERS / ANGEL BABY 「ONCE UPON A TIME」'75 70年代に一世を風靡したイギリス出身のアイドルグループ、ベイシティローラーズ。当ブログでも既に、「SUMMER LOVE SENSATION」、「ひとりぼっちの十代(MY TEENAGE HEART)」、「I ONLY WANT TO BE WITH YOU (二人だけのデート)」の3曲を取り上げていますが、他にも紹介したい良曲、ヒット曲が多数ある非常に優れたポップ・グループです。「キング・オブ・ポップ」という呼び方が有るけど個人的にはNO.1が圧倒的にBEATLESで、彼らをロックと考えるのならば、ABBAとBCRが1位を競ってる感じかな。それで3位がQUEENと。BCRは10代の女の子に大騒ぎされたグループだからと馬鹿にしている音楽ファンが大多数派だと思うけど、そうした先入観から彼らの音楽的価値を見損じている人が多いだろうことを残念に思いますね。(漫画は本秀康氏のレコスケくんより) 曲は「RONETTES / BE MY BABY」を意識したトラック使用の情緒的なバラード。音壁的にはカスタネットが目立つ程度で、特にドラムスにもう少し重量感が欲しかったかな。ただこの曲はメロディがいいんですよねー。甘酸っぱいメロディにレスリーの過剰なまでに情に訴えた唱法。子供の頃聞いた時は甘すぎるなあって感じだったけど、高齢になって聞くと心に染み入ります。メンバーによる自作曲であるところも彼らが単なるアイドルグループでないことを証明していますね。 「YOU TUBE」で聴けます。 JODELLES / MY BOY '83 三人組黒人ガールグループによる明るく軽快な音壁ポップ。一聴すればお分かりの通り、ずばり81年の「大滝詠一 / 君は天然色」に直接的に影響を受けたものですね。音頭風アレンジも加わって大滝詠一サウンドそのものって感じ。これのプロデューサーがなんと「Delegation / Oh Honey」や「Real Thing / You To Me Are Everything」でソウルファンにはお馴染みのKEN GOLDだというのだから驚きです。能天気なパーティ・ポップという感じでメロディにも奥深さは感じられないけど、フィルスペクターによる60年代ガールポップのヒット曲を80年代風に解釈したら「こんなの出来ちゃいました」って感じなんですかねえ。 「YOU TUBE」で聴けます。 ミュージックビデオまで有りました。 DAVE EDMUNDS / BABY I LOVE YOU '72 ニックロウとロックパイルをやっていたデイヴ・エドモンズによるカバー曲。オリジナルはフィルスペクターPによるRONETTESのもの。ロネッツ版自体PHIL SPECTORものの中でも屈指の音壁の厚みを誇っていた訳ですが、エドモンズ版は更に輪をかけて厚みを感じさせるアレンジなのが良い。まずは各楽器の粒立ちが鮮明で特に高音部分のシャンシャン感がいいですね。次に奥行きを感じさせるエコーのかけ方とドラムの重低音なども素晴らしい。1972年の時点でこんな鮮明で深い音壁が実現可能だったとは驚きですが、逆に何故昨今の音楽家の皆さんはこうした音壁を作ってくれないのか?と不満を感じずにはいられないですね。因みにオリジナルと違って歌声に全く魅力を感じないのが玉に瑕で、全体としてはキャッチーにうまく纏まっているオリジナルに軍配を挙げたいです。 「YOU TUBE」で聴けます。 浅香唯 / 10月のクリスマス '86 「STAR LIGHTS」収録 吉実明宏作曲 若草恵編曲 基本トラックは「RONETTES / BE MY BABY」でそれを現代風な楽器の音色で彩っている。エコーのかかったカスタネットやドラムなどナイアガラ的音壁度の高い作品。ストリングスの調べは崇高な感じを出していてなかなかお上品。英語のコーラスが全体をリードする感じもあり洋楽的雰囲気もある。然しながら全体のムード、メロディは落ち着いたもので少し湿っぽく小雨でも降ってそうな雰囲気。ポップ感は少ないがメロディは良く出来ているので人によっては高評価もあり得るか。 麻倉未稀 / リメンバー・ターン '84 作曲いけたかし(池毅) 編曲戸塚修 「BE MY BABY」トラックなフィルスペクター/大滝詠一系音壁ポップ。作曲はアニソン中心に多くの流麗でポップなメロディの作品を残した池毅。ここでは熟女系シンガーへの提供ということでポップさは減退しつつも流麗なメロディは健在です。歌い手はアダルトなフェロモンを漂わせてセクシーな雰囲気だけどちょっと喉越し良すぎる感があるかな。トラックは重量感のあるドラム、軽やかなカスタネット、優雅なストリングス、きれいなエレピなどで構成され派手さは無いがバランスは良い。こういうのはAOR音壁サウンドと言っていいかも知れないですね。 井森美幸 / 瞳の誓い '85 作曲林哲司 編曲萩田光雄 「99粒の涙」というウォール・オブ・サウンド・バラードの名曲を持つ井森美幸。ルックス的にアイドルとしてはいまいちでしたが、当時いわゆるバラドル(バラエティ・アイドル)のはしりとして活躍していました。「99粒の涙」とほぼ同じ時期に同じスタッフによって作られたこの曲は前者ほどではないですが、軽快なピアノの響きが心地よいプチ音壁ソングとなっています。 メロディは全体として暗く湿った内容ですが、バラードとしてなかなか魅力的。行進曲として使えそうなテンポの「STOP! IN THE NAME OF LOVE」リズムは軽やかでいい。これでベースやドラムなど、もう少し音壁要素があればかなりの良トラックと言えただろうにね。そして残念ながら前者同様、彼女の歌声に全く魅力が無いのが非常に大きなマイナスポイント。(っていうか聴くのツライ、、、。)将にバラドルのイメージそのままの声質で、音痴なのは止むを得ないとしても、これじゃあ興醒めですよね。 「99粒の涙」同様に曲自体はなかなかの出来なので、是非他の歌手による音壁カバーでこの曲本来の隠された魅力を十二分に引き出して欲しいところ。岩崎元是Pで金月真美さん辺りカバーしてくれないかなあ。【注意】明るくポップな曲ではありませんのでご注意下さい。それと井森美幸さん、ゴメンネ。 岩男潤子 / 恋人が宇宙人なら '95 作曲編曲岩崎元是 ポップなアニソンを探して遠い図書館から取り寄せた子供向けアニソンCDなどを聴いていたところ(笑)とても面白い曲を発見しました。それがこのテレビアニメ「モジャ公」エンディング曲。作曲、編曲とも岩崎元是という人がやっているのですが、これがなんと大滝詠一サウンドが大炸裂しとるのですよ。出だししばらくはアカペラなんだけど、途中からはいわゆる「君は天然色」そのものの音造りで、大滝詠一とタメ張るほどの分厚い音の壁。鐘の音やきれいなエレピなどが深いエコーに包まれています。高揚感のあるコーラスなんかは山下達郎そっくり。ヴォーカルはおそらく地声ではなくあえて幼稚な声を出していると思われるのだけれど、普通に歌っていればかなりいい線行っていたのではないかと悔やまれる。大滝詠一ファンは一聴の価値あり。*元ネタ=「MFQ / THIS COULD BE THE NIGHT」 荻野目洋子 / 2Bの鉛筆 '85 作曲編曲船山基紀「貝殻テラス」 荻野目洋子の3rdアルバム「貝殻テラス」収録のウォール・オブ・サウンド仕様アイドル・バラード。編曲はやはり同じ85年の「若林加奈 / COOL~アナタガタリナイ~」でも音壁サウンドを実現させた船山基紀氏。重量感のあるベース&ドラムの低音域を基礎に、滑らかに鳴り響くエレピ、軽やかなカスタネット、爽やかなコーラスなどの高音域をバランス良く、かつ大胆に配置したサウンドは聴き応えが有ります。メロディラインもきれいでなかなかの出来ですが、憂いを帯びた内容は僅かに個人的嗜好からは逸れるかな。(おまけ画像は小学生アイドルグループ、ミルク時代の荻野目洋子。) オレンジ・シスターズ / サマー・ホリデー 84年 作曲編曲/新川博 出だしなどのメロディが「大滝詠一/カナリア諸島にて」に似ています。カスタネットも入って、その後にすぐフィルスペクターの「RONETTES / be my baby」みたいなブレイクが入り、結構ナイアガラ系な明るいポップスです。メロディが少し弱く、ハーモニーがないのも残念。B面はベンチャーズ編曲で軽快な60S風ポップスに仕上がっています。 工藤夕貴 / ハートブレイクの微笑 '86 シングル「ガールフレンド」収録 作曲鈴木キザブロー 編曲和泉一弥 フィルスペクター/ウォール・オブ・サウンド系アレンジの施されたアイドルポップ。元気で弾けた曲ではないのでポップ偏差値こそ低いですが、音壁偏差値は厚く高い。シングル「ガールフレンド」のB面収録曲で未だCD化もされていないことから将に隠れた名曲と言えます。 曲調は同じ86年の「国生さゆり / バレンタイン・キッス」かな。ミディアム・テンポで程よい明るさのしっとりと落ち着いたメロディはなかなか良く出来てます。聴き所はやはり音壁アレンジで音の厚み、エコー感は十分。加えて現代的で華やかなキラメキ感を持ち合わせた点が優れてます。歌声も無難で特に萌えロリ声という訳ではないので歴戦の洋楽音壁ファンにも十分受け入れ可能でしょう。爆音対応可能で耐聴性に優れた音壁構造となっております。 田中真美 涙のロンリー・ボーイ '81 作曲田中真美 編曲後藤次利 そもそもこの方がアイドルなのかどうかさっぱり分からないのですが、作曲などの仕事もされるという田中真美さんの自作の泣きのアイドルポップ。声質はボニー・タイラー風というか「ひとりぼっちの僕たち」の美裕リュウ系。泣きのギターになかなかキャッチーで良く出来た泣きのメロディ。曲全体に漂うムードがソウル・演歌系であることからも「トーキョーソウルフル歌謡」というオムニバスに収録されている。それこそ湿りがちな要因が多いこの曲だけど、サウンドに軽めのフィルスペクター/大滝詠一系音壁処理が施されており、耳あたりは良い。ランクインにはもう一歩というところだが、「美裕リュウ / ひとりぼっちの僕たち」あたりが好きな方には一聴の価値あり。ってそんな好事家いったい日本に何人??? 原めぐみ / 見つめあう恋 '81 L.REED-G.STEPHENS 編曲藤田大土 ハーマンズ・ハーミッツの67年のヒット曲「THERE'S KIND OF A HUSH」のカバー。歌うは当ブログでもお馴染みの音壁プリンセス原めぐみ嬢。コンピCD「ミート・ザ・ブリティッシュ・ビート!」収録。ほのぼのとした明るい曲調に甘くキャッチーなメロディで私も大好きな曲ですが、ここでは原曲とは全くアレンジが異なり「RONETTES / BE MY BABY」をベースとしたウォール・オブ・サウンド仕様になっています。さながらマージービートMEETSフィルスペクターって感じの夢のある組み合わせですが、相性はいまひとつだったかな。 堀江由衣 / HAPPY SNOW '08 作曲編曲雲子 2007年のクリスマスライブ用に作られた曲で現在の所は通常CDアルバムには未収録。ライブDVD「クリスマスライブ ~由衣がサンタに着がえたら~」に同梱されているマキシシングルCDにのみ収録です。ただし有り難いことにこのページでこの曲だけダウンロード購入出来ます。 曲はクリスマス仕様のフィルスペクター/ウォール・オブ・サウンド(音壁)系サウンド。エコーをかけ重低音を強調したドラムのおかず的使用法が特徴的。加えてクリスマス・イルミネーションのようなシャンシャン感いっぱいの煌びやかな装飾音が施されています。冒頭で聞ける切れ味鋭い弦の響きも冬の夜空に吹き荒ぶ寒風のようで効果的ですね。 メロディは暗く、決してポップな内容とは言えないので個人的にはあまり趣味ではないのですが、切羽詰まったかのような緊迫感とスピードのある内容はなかなかのものでグレードは高い。曲調としては音壁の大御所「大滝詠一 / さらばシベリア鉄道」の雰囲気に少し近いものがあり、この辺りの暗さ、冬の寒さ・厳しさが好きな人には高評価かも知れません。 この曲を使用し、週刊アイドルマスターで1位を獲得したyoumei氏によるアイマスMAD動画「アイドルマスター 雪歩 HAPPY SNOW」は、堀江"ほっちゃん"由衣さんのような可愛らしさで人気の雪歩を主役とした素晴らしい内容でオススメです。音楽と併せてお楽しみ下さい。 三石琴乃 / MY DOLPHIN BOY '94 作曲編曲岩崎元是 「COTTON COLOUR」収録 アイドル歌謡曲ファンには隠れた名曲として知られる「YUKI(岡崎友紀) / ドゥー・ユー・リメンバー・ミー '80」ネタ曲。岡崎友紀版はミディアムテンポではありますが、明るくポップな曲ではなく、憂いを帯びた哀愁メロディが最大の魅力のバラード系名曲と言えます。 この三石琴乃版はこの曲を基調とし、岩崎元是氏による、よりブ厚い音壁サウンドで仕上げられています。テンポは少し早め、曲調も明るめ、元気め、歌声も明るめで、全体としてよりポップな仕上がり。メロディは逆に少し魅力が減り、三石琴乃さんの歌声も苦しげなのでこの曲との相性がいいとは言えないですが、何と言っても岩崎元是サウンドです。そのフィルスペクター/大滝詠一ナイアガラ系音壁サウンドの奥行きのある音像感は素晴らしく、とても心地よい仕上りになってます。 「ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」ネタ曲としては、より「BRUCE SPRINGSTEEN / BORN TO RUN '75」フレーズを強調した同じく岩崎元是作曲編曲の「辻本夏実&小早川美幸 / ありがとう」(逮捕しちゃうぞOST3収録)もあります。(尚、岩崎元是さんはご本人曰く「音壁炸裂しまくり、多分ここ10年で最もウォール・オブ・サウンドな仕上がり」な新作を近日発表される予定です。) 因みに、三石琴乃さんは『新世紀エヴァンゲリオン』(葛城ミサト役)、『美少女戦士セーラームーン』(月野うさぎ/セーラームーン役)などで知られる声優さんらしいです。 「岡崎友紀 / ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」のカバー曲については、アルフォンスさんの「Do You Remember Me? DISCOGRAPHY」をご参照下さい。 森末慎二 / BECAUSE I LOVE YOU '91 作曲編曲岩崎元是 「君のいないクリスマス」収録 1984年ロサンセルスオリンピック体操競技の金メダリストの森末慎二さんが歌う、ちょっと異色の音壁バラード。CDS「君のいないクリスマス」のカップリング曲。作曲編曲はウォール・オブ・サウンドの第一人者の岩崎元是氏で、「君のいないクリスマス」は元是P自身も後にセルフ・カバーしています。この「BECAUSE I LOVE YOU」は、「Bruce Springsteen / Hungry Heart」風のバラードで、その大仰さを更に数倍にしたかのような分厚い音造りが堪能できます。 派手なドラムスに更にエコーをかけた重量感は超ド迫力。カスタネットやグロッケンの繊細な音像、エレピやシンセの煌びやかさ等が複合的に絡み合い、立体的に作られた音世界はまるで万華鏡のよう。残念ながら高校時代バンドを組んでいたという森末氏のボーカルは声質、唱法ともに少し魅力不足で、折角の名アレンジも心の底から楽しめるという内容ではない。ここは「君のいないクリスマス」同様、元是P自身のセルフ・カバーを期待したいところです。 両曲とも森末慎二さんの所属するバンド「二子玉~ズ」さんのHPで聴けます。 横山智佐 / うるわしのDUCK SOUP 作曲編曲藤原いくろう '94 「恋愛の才能」 明るく元気なシャッフルビートもの。基本トラックは「竹内まりや / 色・ホワイトブレンド」か?鐘の音、爽やかな男性コーラス、大滝詠一風フレーズなどスペクター/ナイアガラ系サウンドを散りばめた、それ系がお好きな方には楽しめる内容となっています。メロディラインはまずまずなのですが、どこかで聞き覚えがある気もします。歌はちょっとアニメ声優声なので聴きこなすには慣れが必要ですが、連続10回も繰り返し聴きこめば、大事な何かも麻痺し、無事一線を超えられることと思います。この曲収録の「恋愛の才能」には「目は口程の恋じゃない」という曲もナイアガラ風味がする作品で、ポップではありませんがしんみりとしたメロディもなかなかで一聴の価値があります。 渡辺満里奈 / うれしい予感(シングルバージョン) 作曲大瀧詠一 編曲CHELSEA '95 「ちびまる子ちゃん」オープニングテーマ。プロデュースは大滝詠一、エンジニアは吉田保。日曜の夕方にお茶の間を賑わせた曲なので多くの方が知ってるメロディかと思いますが、あらためてステレオ装置で聴くと、きっちりと大滝詠一ナイアガラな心地よいサウンドなのです。テレビ版と違って4分11秒と長いのもいい。キラキラとした装飾音、エコーの効いた重低音、空間の拡がり具合は、(アニソン界では岩崎元是氏に凌駕されていますが)流石本家だけのことはあります。惜しいのは折角の音壁サウンドながらメロディが牧歌的でトキメキに欠ける点。まあ、これは「ちびまる子ちゃん」の世界だからしょうがないとしても、満里奈の歌に全く魅力が無いのはとても残念。フェロモンが皆無で、歌が下手なだけでなく、味わいが全くない。いわゆる「ヘタうま」でなく「ヘタヘタ」ですな。これは業界受けの良い満里奈というキャラ優先で人選してしまった結果でありましょう。同じ牧歌的アニソンとしては抜群のポップな切れ味を持った「恋するベッキー」の藩恵子さんのキラーなロリフェロヴォイスで聴いてみたいなあ。因みに渡辺満里奈のアルバム収録バージョンはいまいちな出来で全くオススメできませんのでご注意を。 BRIAN ENO / ON SOME FARAWAY BEACH '74 「HERE COME THE WARM JETS」 鬼才ブライアン・イーノのファースト・ソロ・アルバム収録曲。当ブログではポップに拘って曲を取り上げているので、イーノの曲は無縁に近いのですが、個人的には大好きなアーチスト。環境音楽時代もいいのですが、初期のボーカル入りソロワークも甲乙つけがたいぐらい大好きです。特に「Another Green World」収録の「I'll Come Running」、以前セレクト大会でも取り上げた「Golden Hours」や「Before and After Science」収録の「Here he comes」、「By this river」、「Spider and I」などはどれも最高!イーノの体温の低い、人間離れした、俗世離れした、将に神の領域に達したかのようなヴォーカル、メロディ群の隔世感は尋常ならないものがありますね。 その二枚のアルバムと比べると大部地味なイメージのある74年の 「HERE COME THE WARM JETS」。先日久々に聴きかえしてみたら、ぬわんとウォール・オブ・サウンドがあるではありませんか。イーノで音壁?って意外過ぎですよね。上品なピアノの音色をベースに、荘厳な雰囲気を醸すコーラス。やはりどこか非日常感の漂うメロディの後ろでは、エコー感のあるドラムが転がりまくります。静かな出だしから徐々に盛り上がっていく展開もドラマチックですが、僅かながら人間臭い暖かみを感じさせるところは若かりし頃の未完成なイーノって感じですかねえ。 「YOU TUBE」で聴けます。 COCO / さよなら '92 作曲山口美央子 編曲澤近泰輔 「SHARE」収録 宮前真樹、羽田惠理香、大野幹代、三浦理恵子、瀬能あづさの5人組アイドル女性グループによる92年のアルバム収録の音壁曲。「RONNETES / BE MY BABY」風ベース&カスタネットに時折エコーを効かせたドラムが鳴ります。とはいえ、そこはアイドルグループものということで、ドラムのエコーはお付き合い程度のショボイもので重量感も無い。全体として音壁ものというよりはフィルスペクター風といった方が正確かな。サビのメロディもオールディーズっぽくて、どこかで聴いたことあるような感じですしね。そのキャッチーなサビを含めてメロディは湿ったセンチな内容でポップとは言い難いけど出来栄えは良く、個人的には結構愛聴しています。特に三浦理恵子のソロパートで聴けるオヤジ必殺のロリータ・ヴォイスが美味。「YOU TUBE」で見れるライブ版の方は歌の出来は劣るけどドラムにエコー&重量感が加味されています。 【 工事中 】 岡田有希子 / DREAMING GIRL 恋、はじめまして TOKYO POLICEWOMAN DUO / 待たせて、ゴメンね 作曲編曲岩崎元是(IWASAKI MOTOYOSHI) 「逮捕しちゃうぞ限定解除ソングコレクション」収録 WALL OF SOUND / HANG ON CD「THE WIGAN CASINO STORY VOLUME THREE THE FINAL CHAPTER」(GOLDMINE GSCD90)収録 「Phil's Spectre: A Wall of Soundalikes」にも収録。いわゆるノーザン・ダンサー・タイプで音壁ものは珍しいかも。 Beano - Candy baby GEORGE HARRISON / Awaiting On You All 五味美保 / エイプリルフール '95 作曲五味千賀庫 編曲吉村倭瑳務 「Vacation Map」収録 久川綾(水野亜美) / 同じ涙を分け合って 作曲上野義雄 編曲京田誠一 Frankie Valli and the Four Seasons / Rag Doll Frankie Valli and the Four Seasons / Rag Doll 金月真美 / DO YOU REMEMBER ME '99 作曲加藤和彦 編曲岩崎元是 CDS「トワイライト・アヴェニュー」収録 小松里賀 / グライダー(NEW EDITION)作曲UZA 編曲磯江俊道/森和孝 「東京ミュウミュウ スーパーベストヒット -東京ミュウミュウサイド-」収録 館林見晴 / 青になれ! 菊池志穂 / ダイヤリーはつぼみのまま 菊池志穂 / Dream of YOU 広橋佳以 / 大好き '99 作曲編曲池毅 「北へ。WHITE ILLUMINATION PURE SONGS AND PICTURES」収録 池毅版ウォール・オブ・サウンド。 松田聖子 / 風立ちぬ '81 大滝詠一作曲 多羅尾伴内編曲 メロディにポップ感は少ないけど、大滝詠一製ナイアガラサウンドが心地よいね。 若林加奈 / セプテンバークイーン '85 作曲岸正之 編曲鷲巣詩郎 エコーのかかったドラムがドカンドカン鳴り響くスペクター系サウンドで、メロディの出来もなかなか良い爽やかで気持ちよい作品。「おしえてアイドルRESPECT 日本コロムビア・リクエスト編」収録。 虹野沙希 / 虹色のx’mas Eve 岩崎元是 '98 「虹のリトグラフ」収録 ジャンル別一覧
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